ハマトラ 舞台探訪(聖地巡礼)@横浜

探訪日:2013/10/27(1回目・PV第1弾)、2013/11/23(2回目)、2013/12/14(3回目・PV第2弾、コミック版、アニメ誌)

 2014年冬より放送開始予定のオリジナルアニメ「ハマトラ」
 舞台は2014年の横浜だそうで、キービジュアルの背景にも実在の横浜の景色が忠実に描かれていました。
 2013年10月22日にはプロモーション映像が初公開され、本編クオリティの映像が初お披露目となりました。その中でも現実の横浜の景色がいくつか登場していましたので、早速実際の景色を紹介したいと思います。

登場地点リスト
・放送前探訪分
  キービジュアルPV第1弾PV第2弾ニュータイプ2013年12月号コミック版1~3話
・メインの舞台
  CAFE NOWHERE中華街 マオのいる裏路地ファクルタース学園
・各話の舞台
  1話:オープニング&エンディング1話:横浜銀行大和支店1話:元町商店街1話:横浜の風景いろいろ1話:ベーリックホール
  オープニング2話:山下公園2話:横浜の風景いろいろ2話:アメリカ山公園2話:港の見える丘公園
  3話:新横浜二丁目北側3話:横浜の風景いろいろ3話:新横浜駅前3話:ワールドポーターズ前
  4話:東京国際空港(羽田空港)4話:コスモワールド
  5話:中華街5話:万葉倶楽部

キービジュアル

 まずは公式サイトトップでも公開されているキービジュアルから。このイラストでは、開港広場前のスクランブル交差点が背景として描かれています。大さん橋や山下公園、日本大通りなど横浜のメジャー観光エリアのど真ん中なので、横浜観光をしたことがある人ならきっと通っているのではないか、という場所です。
 キービジュアルと言うことで多少遠近感がいじられているようですが、奥に見えてるビルから横断歩道の模様まで完全に一致します。

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キービジュアルのモデル地・開港広場前のスクランブル交差点

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PV第1弾

 2013年10月22日のニコ生特番「逢坂・羽多野・安野のTVアニメ「ハマトラ」 Project始動記念特番」で初公開され、その後公式サイトでも配信されている「プロモーション映像」では、キャラクターの動いている姿が初めて公開されたと共に、舞台となる横浜の街並みを描いた背景画も初登場となりました。今回はまだPVということでスポット的な登場ばかりでしたが、今後本編でどんな場所が舞台となるのかなんとなく察しがつくような、わりと特徴の有る場所が登場していました。写真をそのまま加工したとおぼしき絵も多かったおかげで、背景モデルが実在すると思われたほぼ全てのカットを特定出来ました。早速現地で撮影してきたので、PVの時間軸に沿って順に紹介していきたいと思います。

 まずは映像の最初の方。タイトルが出た直後に背景だけのカットがパパパッと何枚も一瞬だけ写るシーンで登場するカットから。ここで映る数枚の絵は、おそらく写真をそのまま加工して背景画として利用したもの。色はどぎつく加工されていますが、現地へ行けば完全に同じ写真が撮れるハズなので頑張ってみましたw
 1カット目はこんな絵。横浜駅東口のベイクオーターから見たみなとみらいのビル群です。映像の方で黄色く塗られている横長の建物、Jリーグ・横浜マリノスの本社事務所が特徴的な景色です。撮影地点はそごうからベイクオーターへ通じる、動く歩道が設置された通路を抜けた先、乗り合い遊覧船「シーバス」乗り場へと通じる階段の上です。左端に写っている柵はベイクオーターの建物本体になります。

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ベイクオーターから見たみなとみらい

 2カット目はこれと言って特徴が無いただの幹線道路。しかしこれも写真加工っぽい背景画と言うことで当然モデル地が実在します。場所は横浜駅西口から繁華街を抜けた先にある岡野交差点。ビブレや東急ハンズ(※2013年10月に横浜駅ビルに移転)が並ぶ道と県道13号線、通称「新横浜通り」が交差する位置にあります。この交差点の横断歩道の真ん中から西北方向、環状2号や新横浜の方を向き、望遠レンズを使って写真を撮るとこの絵がほぼ再現出来ました。

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岡野交差点。映像中と同じく混雑してました。

 3カット目は中華街の門。中華街自体は有名どころですが、多くの人が出入りするメインストリート沿いのではなく、中華街の一番外れ、横浜スタジアム脇にある「玄武門」がこの写真の撮影ポイントです。道路向かいからちょいズームという絶妙なアングルで撮られていましたw
 (※記事公開からしばらくの間「延平門」と間違って掲載していましたので訂正いたします。Twitterでご指摘下さった方ありがとうございました。)

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中華街玄武門。

 4カット目も同じく中華街から。路地に看板が密集しているいかにも、って感じの景色です。メインストリートの中華街大通りと、一本南を並行して走る関帝廟通りを結ぶ路地は何本か有りますが、その中の一つ「香港路」を関帝廟通り側から見た構図です。店名については左側の「京城飯店」と「保昌」はそれぞれ「京滅飯店」「後菖」と書き換えられているのですが、右側の「頂好」と「上海飯店」は実名そのまんまなので変える基準がよく分かりませんw
  なお「頂好」は丁度1年前の2012年10月28日に閉店した(ソース)そうで、現在は同じ場所に「壹路發(イロハ)」という店が営業しています。作中に書かれている「頂好」の看板と実際の写真に写っている「壹路發」の看板をじっくり見比べると分かりますが、「頂好」時代の看板をデザインもそのままに「壹路發」が引き継いでいるようですねw 他にも上海飯店(こちらは現在もこの場所で営業中)の方は作中カットに書かれている黄色い看板がなくなっていたりと、スタッフがロケハンを行った時から現在までの間にいくつかの変化が起きています。キャラクター原案の小玉有起さんが「2年ぐらい前から関わっている」とつぶやいていますし、「頂好」の閉店時期から考えても、今回の映像で使われた写真が撮影されたのは、今から1年かそれ以上前なのではないでしょうか。

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中華街香港路にひしめく看板。

 5カット目。これが一番特定が難航したカットでしたが、なんとか分かりました。場所は福富町。この地名を聞いてパッと場所をイメージ出来る人は相当な「横浜通」だと思いますw
 福富町とは大岡川とイセザキモールに挟まれた一帯を指します。きれいに整備されたみなとみらいエリアや、横浜の歴史を今に伝える馬車道エリアのすぐ近くにありながら、韓国人を始めとした外国人が経営する店舗と風俗店が雑多に入り乱れた、実にディープなエリアを形成しています。正直言って治安はあまりよくなく、先に挙げたみなとみらいや馬車道などが横浜の「表」ならこちらは「裏」いった風情でしょうか。
 しかしこの「ハマトラ」という作品は、探偵だの警察だのいったキーワードがちりばめられていますし、あらすじを読む限りではどちらかというと「裏」の世界寄りな話が展開されそうな雰囲気が感じられます。だからこそこんなディープな場所にまでロケハンに行ったのでしょうかね。

参考:横浜のディープな街「福富町」の歴史とは?[はまれぽ.com]

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宮川橋から通じる道と福富町西通の交差点あたりから仲通の方を向いて望遠レンズを使って撮影すると撮影出来ます。

 ここからはキャラクターも登場する本編映像っぽいシーン。主人公のナイスが街を歩いているシーンです。場所は画面に思いっきり書いて有るとおり「横浜元町」です。元町エリアはさっきのディープな福富町から一転、高級ブランドショップが立ち並ぶ華やかな街並みが広がっており、横浜を代表する繁華街の一つになっています。
 ちなみに、この元町と「ハマトラ」は深い関わりがあります。1970年代末にこの元町から発信されて流行したファッションスタイルがあり、その名前こそが「ハマトラ」。「ハマのトラディショナル・スタイル」を略して「ハマトラ」だそうで、元町に本店を構えるブランドを中心に取りそろえるのが基本とされたそうです。アニメの方の「ハマトラ」は「ハマのトラブルシューター」で「ハマトラ」だそうですが、元ネタはこれなんでしょうね。
 さて作中カットの場所ですが、元町ショッピングストリートの入り口にある「元町プラザ」の前でした。こちらもロケハン写真の撮影から少々時間が経っているようで、現在では既に実際の景色と一致しなくなっています。作中カット左上にちらっと「PL」という文字が見えますが、これは「MOTOMACHI PLAZA」の「PL」です。写真の方にも左端に「PLAZA」の文字が見えるかと思いますが、作中の様子とは異なっています。ところがこの地点のGoogleストリートビュー(2009年撮影)を見てみると、そっちは作中の様子と同じなので、やはりここ最近改装されたようです。

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元町プラザを横から見た画。

 元町プラザを別角度からみたカットもあります。作中では電線が書かれていますが、実際のこのエリアは地中化されているので空はもっとすっきりしています。

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元町プラザ

 このカットで面白いのは元町プラザの後ろに書かれている、赤枠で囲った映像右端の紫と黄色に塗られているビル。実際の景色とよく見比べてみると分かるかと思いますが、紫の方の建物は実在の建物の左側面を、黄色の建物は実在の建物の右側面をそれぞれ元に、別々の建物のように描かれています。今までいろんな作品の舞台を巡って比較写真を撮ってきましたが、こんなパターンは初めてかもしれませんw

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元町プラザ裏のマンション。左側の面と右側の面がそれぞれ別の建物として描かれている。

 シーン変わって警察署。作中では「横浜警察署」となっていますが、実際は「神奈川県公安委員会」と「神奈川県警察本部」です。登場人物の一人・アートは警察官ですし、この周辺は本編が始まってもよく登場することになるのではないでしょうか。

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神奈川県警察本部。

 最後に紹介するのは新横浜駅周辺。映像の後半で、主人公・ナイスと相棒のムラサキが、物語の鍵となる特殊能力「ミニマム」を使って交差点に突っ込んでくるトラックを止め、女の子を助けるというシーンの背景モデルとなった場所です。これまでに紹介したカットと同じく、このシーンもパッと見た感じでは背景が緻密かつリアルに描かれているように思えますが、実際に現地へ行ってみたところ同じ写真が全く撮れない!このシーンの背景画は、現実の景色に大きく手を加えて作り上げられたものだということに気づきました。ここではじっくりと解析しながら現地の景色と比較してみたいと思います。
 最初はこのナイスと小さい女の子が横断歩道を渡ろうとしているカット。道路は結構幅広で、方面を示す道路標識が5枚並んでいるのが特徴でしょうか。掲載した比較画像では潰れて読めませんので標識の内容を順に書き出すと、左から順に左折方向が「荏田 第三京浜」、直進方向の3枚は内容同じで「川崎 鶴見」、右折方向は「新横浜駅」と描かれています。その並びの看板は内容そのままで新横浜駅前に実在しており、そこに合わせて写真を撮るとこのような感じになります。

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新横浜駅前の大通り。5枚並んだ標識が特徴。

 こうして写真とPV映像の背景画を見比べてみると、一致している場所はありつつも異なる点が多いことに気づくかと思います。特に大きな違いは横断歩道が無いことと、背景画の方では5枚並んだ道路標識の奥に道路の上に覆い被さるような配置で大きな建物が存在していることあたりでしょうか。せっかくなのでもう少し詳しく見てみましょう。

 まず横断歩道ですが、これは完全に創作です。Google等で航空写真を見て頂ければ分かるかと思いますが、新横浜駅前のこの大通りは歩道橋が縦横に張り巡らされている代わりに平面の横断歩道は一切ありません。シーン的に横断歩道じゃないと「トラック止めて女の子を助ける」ってシチュエーションにならないのでわざわざ書き替えたのでしょうかね。なぜ敢えて横断歩道のない新横浜をこのシーンの舞台に選んだのかはわかりませんがw

 続いての改変ポイント、中央奥のでかい建物。下図の赤枠で囲った建物です。こちらは創作ではなく、おそらく新横浜駅ビルがモデルになっていると思われます。実際の位置としては、道路標識で新横浜駅が右折方向と示されていた通り、上で掲載した写真の右手手前に当たります。

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作中では別の場所に持ってこられている新横浜駅ビル。

 更にもう少し細かいところまで見てみます。下図のピンク、青、オレンジの枠で囲ったビルや道路標識についてです。この部分の建物も全てモデルがありますが、位置は同じなこともあれば動かされているモノもあったり。それぞれの枠の中身について個別に見ていきたいと思います。

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背後のビル群のモデル。位置関係はそのままだったり動かされていたり。

まず青で囲った中にあるビルですが、これは背景画と同じ位置に同じ建物がきちんと存在していることが二つ上の写真からも分かるかと思います。青い「AMANO」の看板が「HAMANO」に変わってるぐらいですねw 「AMANO」の左奥と右奥の建物もちょこっと写っているだけですがキチンと再現されています。更に奥、円筒形が独特で写真の中では目立っている新横浜プリンスホテルの建物も、背景画の方では追加された新横浜駅ビルの影に埋もれつつも大体位置関係を保ったまま描かれています。
 一方ピンクで囲った白い建物ですが、これは形はそのままですが場所が移動させられています。この建物は新横浜プリンスペペという名前で、その名の通り円筒形の新横浜プリンスホテルの隣にあるものなのですが、映像の中ではビルひとつ分手前に移動させられ、写真中の「レンタカー」と言う看板が乗っているビルの位置に有ることになっています。「ハマトラ」の世界ではプリンスホテルが新横浜駅に直結してて、その手前にプリンスペペがある、と言うような配置なんでしょうかw
 最後に細かいところですが、オレンジの丸で囲った道路標識。これは実はほぼそのままのの位置に同じ形のものがあるのでそれが書かれているのだと思います。よく見ると歩道橋や街路樹との位置関係が現実とは異なりそうな気はしますが。

 新横浜駅周辺で展開される一連のシーンは他のカットでも同様に、建物の形はそのままだけど場所が違うというパターンが多く見受けられます。ナイスが「ミニマム」を発動しているこのカットもそう。先述の通り横断歩道は実在しないので左上に見えてる歩道橋で雰囲気を合わせて写真を撮るとこんな感じなのですが、道路との角度が違うし奥に見えてる景色も当然違います。

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歩道橋に信号機が付いているところをイメージして撮影。エレベーターの部分がPVで書かれているのにより近いところというのも別の場所に有ります。

 しかしこの奥に見えてる赤で囲った建物二つ、これはやっぱり実在しており、上の写真から大通りを左にしばらく行った先にあるリコーのビルと、その斜め向かいにある「新横浜テックビル」がモデルです。

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道路奥の方に見えてる景色のモデル。

 同じ例は更に有ります。ナイスの相棒・ムラサキが居るのは多分駅前ロータリーの南西側にある広場だと思われます。このあとムラサキが街灯のポールをへし折ってトラックに向けて倒すというシーンに続くのですが、横断歩道があるはずの位置(5枚並んだ道路標識の付近)とはだいぶ離れた位置になってしまいます。

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新横浜駅南西側の広場。地面の模様がそれっぽいという程度にしか似てません。植え込みも無し。

 ムラサキが折った街灯がトラックへ向けて倒れ込んでいくカットも改変の嵐。右側の白いのは先ほど紹介した「プリンスペペ」ですが、それより奥の建物は違うものが描かれています。

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右側の景色のモデルとなった新横浜プリンスペペ

 左側の景色としては歩道橋への階段が描かれていますが、デザイン的にこれがモデルでしょうか。

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写真は新横浜駅前南西側の歩道橋を撮影したものを左右反転しています。

 最後、能力を使い終えたナイスの後ろに見えてる景色。これもまた実際の景色をいじったもののようです。さっきムラサキが居た場所のモデルだろうとして紹介した広場からロータリーの方を見た景色、これを左右反転するとこのように作中の景色を再現することが出来ます。

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ロータリーから横浜アリーナの方向(北東)を見た景色。写真は左右反転させています。

 場面カット左端、「HAMANO」のビルの左隣のビルをよーーーーーく見ると、左端に青地に白で「英会話」と書かれた垂れ幕が、その右に「クリニック」と書かれているであろう垂れ幕が書かれていますが、その位置関係も左右反転させた写真でキチンと再現出来ています。

 ちなみに左右反転していない実際の景色はこの通り。

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このようにこの作品の背景画は、実際の風景を元にしつつも切り貼りを多用して構築されています。それによって、現実とは少し違った横浜の景色がとてもリアルに描かれています。

 このようにこの作品の背景画は、実際の風景を元にしつつも切り貼りを多用して構築されています。それによって、とてもリアルなんだけど現実とは少し違った横浜の景色というものが作り上げられています。実際の景色にわざわざ手を加えたということは、そこには大なり小なり「制作者の意図」というものがこめられているはず。何を思ってこの景色を描き上げたのか、その辺を妄想しながら作品本編を見てみるのもまた一興なのではないでしょうかw

 今回公開されたPVは短いもので、登場した風景も多くありませんでしたが、冒頭でも述べたように、オリジナルなためどんな話になるかまだ分からないこの作品の、その展開を何となく予想出来るようなクセのある場所が多かったように思います。そもそもキービジュアルからしてなかなか絶妙な場所を選んだなという感じ。「開港広場前」は場所的には有名どころではありますが、この絵に写ってる範囲にはただのビルしか見えてない、ってのがまたニクいw 作品の舞台が横浜であるとは大々的に銘打たれていることなので、ランドマークタワーとかマリンタワーとか、一目で横浜と分かるような景色をキービジュアルの背景にすることもできたと思いますが、そこは敢えてハズしたのでしょうか。PVの方でも、横浜元町というある程度の名所は押さえつつも、これと言って名所でも何でも無い岡野の交差点を出してみたり、さらには福富町というとてもディープな所まで出す始末。途中でも書きましたが、舞台の使い方から見るにこの「ハマトラ」という作品は、近代的に整備されたきれいな街並みが広がる横浜の「表」の世界ではなく、より地元に密着した、時には若干アングラなところにまで足を突っ込むような、そんな「裏」っぽい世界の話になるのではないか、という予感がしてなりません。他の作品で言うと、池袋が舞台で、サンシャイン周辺などの表通りは基本として押さえつつも、明治通り北側の歓楽街や北口界隈、果ては雑司ヶ谷の裏路地まで登場した「デュラララ!!」とか、渋谷が舞台で、ハチ公前交差点などの表通りは基本として押さえつつも、道玄坂の歓楽街や宮益坂界隈、果ては神泉の裏路地まで登場した「神様のメモ帳」とか、その辺の作品ととてもよく似た気配を感じますw 2014年冬の放送開始までまだ少し時間がありますが、今から本編が楽しみです。

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PV第2弾

 2013年12月12日に公式サイト、YouTubeで公開されたPV第2弾でも新たな風景が何カ所か登場したので早速撮ってきました。と言っても、数枚だけなんですけどねw

 まずは開始3秒後ぐらいにパパパッと3枚横浜の風景が映されたところで出てきた景色。順に山下公園の氷川丸、桜木町駅前から見たランドマークタワー、中華街関帝廟通りとなっています。どれも横浜の観光スポットとしておなじみの場所ですね。
 1つめの氷川丸は、山下公園の岸壁に係留されている客船で、もともとは昭和初期に建造され、横浜~北米の太平洋横断航路に就航していたものです。現在は博物館として内部が公開されています。海辺の公園に立派な客船が係留されている風景は港町・横浜の象徴の一つにもなっていて、周辺は常時多くの観光客で賑わっている場所です。

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山下公園の氷川丸

 次に出てきたのはJR桜木町駅前から見たランドマークタワー。こちらも横浜と言えばここ、みたいなおなじみの景色ですね。

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桜木町駅前広場のバス乗り場付近から見るとこの構図になります。

 3つめは中華街の関帝廟通り。中華街のメインストリートとなる中華街大通りの1本南に平行して走っている道です。大通り沿いは店構えも立派な高級店が多めなのに対し、この通りは個人経営っぽい小さな店が多いのが特徴ですかね。名前の元となった関帝廟などのみどころもあり、裏とは言えこちらもメインストリートに負けないぐらい賑わっています。
 今回の映像に登場したのはかなりの望遠レンズで撮った写真を加工している感じで、実際に現地へ行って自分の目で見てみてもどこを写したものなのかよくわかりませんでしたw 周りの看板をよーーーく見るとどうも通りの西の端辺りから東を向いて超望遠で撮影したものと特定。街灯に付けられた「関帝廟通り」のロゴがずらりと並んだ構図をちゃんと再現することができました。画面のど真ん中に写っていて一番目立つ駐車禁止の標識は、ストリートビュー(2009年8月撮影)では確認出来るのですが今回行ったらなくなってしまっていました。
 なお通りの真ん中にある提灯は、中国の旧正月「春節」に向けた飾り付けで、年中あるわけではありません。(8月撮影のさっきのストリートビューでは見あたらないと思います。)この物体がある状態を見られるのは、春節本番が終わる2月中旬までになります。ちなみに映像の方にもこれが見えてると言うことは、スタッフロケハンもやはり冬だったってことになりますね。PV第1弾の中華街カットでもロケハン時期を推測出来る手がかりがありましたが、それと合わせて考えると2011年末~2012年新春ぐらいのロケハンだったのかもしれません。

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関帝廟通りをズーム撮影。関帝廟通りの端、天長門の真下から望遠レンズで撮影しました。

 PV第2弾に登場した場所で特定出来た最後のポイントは、20秒ぐらいから始まるナイスがミニマム(能力)を使って悪役っぽいおっさんを吹っ飛ばしているシーンで出てきた場所。後ろに窓の形が特徴的な建物が見えていますが、これはベーリックホールという洋館です。港の見える丘公園から続く、西洋風の建物が並び外国人墓地があるという、異国情緒漂うエリアに建っている洋館のひとつです。昭和初期の建築なので80年ぐらいの歴史がある建物ですが、現在は横浜市が管理しており、内部も無料で見学可能です。

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ベーリックホールの前庭から。それほど広くはないので能力で人を吹っ飛ばしたら確実に建物にぶち当たりますww

 今回のPVで場所が分かったのはこの4ヶ所です。前回のPVはかなりマニアックな場所が多いなと感じましたが、今回は氷川丸、みなとみらい、中華街、山手の洋館と横浜を象徴するような超有名どころばかりを取りそろえてきたなという感じで、風景のチョイスは対照的です。今回出てきた各所はあまりにもおなじみの場所なので、他のアニメで横浜が出てきたときにもよく登場しています。特に極端なのは今から約6年前に放送された「君が主で執事が俺で」(通称きみある)で、今回出てきた場所が全部登場していますwwベーリックホールなんて主人公たちのお屋敷ってことになっていましたし。その作品の探訪も当サイトで公開してるので、巡りながら当時のことを思い出したりして面白かったですw ページはこちらですので良かったら合わせてご覧下さい。

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ニュータイプ2013年12月号

 さてここからは映像媒体ではなく紙媒体に掲載されたイラストの背景画を紹介したいと思います。まずは2013年11月発売のアニメ誌・月刊ニュータイプ12月号の「ハマトラ」記事から。書き下ろしのこのイラストの背景になっていたのは山下公園の入り口、氷川丸とマリンタワーのちょうど間あたりに位置する「山下公園東口」の交差点の風景でした。

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山下公園東口の風景。遠近感はちょっとアレンジされてる印象です。

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コミック版1~3話

 次に2013年11月21日発売の週刊ヤングジャンプで連載が始まったコミック版から。テレビアニメ版のストーリーの少し前の時間軸にあたるエピソードをキャラクター原案の小玉先生が自ら描くこのマンガ版にも、横浜に実在する景色を元に描かれた背景が登場していました。分かったところは多くないのですが、3話までのエピソードで登場したところについて紹介していきます。
 まずはカラーで掲載された連載第1話の1ページ目から。こちらの背景は、山下公園から象の鼻パークを通り赤レンガ倉庫までを結ぶ遊歩道「臨港線プロムナード」の途中から見たみなとみらい方面の景色が使われていました。横浜を舞台にした物語の始まりを告げるコマだけ有って、これまたいかにも横浜らしい景色が選ばれたなという感じです。一大観光地として整備されているエリアで、まあいわば「外の人から見た横浜のイメージ」といったらこんな感じかな、という景色かと思います。

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臨港線プロムナードの象の鼻パーク辺りから見たみなとみらいの景色。

 同じく1話から。テレビシリーズではコンビを組んでいるというムラサキが初めてナイスの営む探偵事務所を訪れたシーンで出てきた景色です。この景色は横浜駅西口の繁華街の風景を切り取ったもの。先ほどのみなとみらい方面が外の人に向けた景色のイメージだとしたら、この西口界隈は横浜周辺に暮らす、「地元の人から見た横浜の景色」の典型例なのかなと思います。ビブレやビックカメラ、カラオケ、ゲーセン、ボウリング場などが雑然と建ち並び、観光客ではなく地元の若者で賑わうエリアがこの界隈です。どこまで狙って背景を選んでいるのかは分かりませんが、この2コマの対比は長年舞台探訪をやっている身として、そして以前は観光として訪れていたけど今ではそこに住んでいる身として、おお!と思わされましたw

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横浜駅西口のビブレ前辺り。撮影地点は繁華街のメインストリートの南側に架かる青い橋(幸橋)の端からです。

 最後は2話目で出てきた県警本部。こちらはPV第1弾でもちらっと出てきていますね。テレビシリーズにはここに勤めるキャラクターも出てくるので、放送が始まれば何度も登場することになる場所かと思います。

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神奈川県警察本部の庁舎。

 コミック版の方の連載は続いていますが、さすがに週刊誌を毎週追いかけているとキリがないので、次回探訪は単行本が出てからかなと思います。その頃にはテレビの放送も始まってそっちにかかりきりになってそうですがw

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更新履歴
初回記入(速報版公開):2013.10.23 03:00
実際の写真を掲載:2013.10.30
PV第2弾、コミック、アニメ誌の探訪を追加:2013.12.15
一部写真差し替え:2014.01.22
一部写真差し替え:2014.02.22
サイドバー設置:2015.03.19